佐川光晴、「おれのおばさん」。

青空を大きくトリミングした、どっちかというと素っ気ない表紙をめくると。それはもう、饒舌な語り口がいきなり始まって、ちょっと度肝を抜かれました。
それからは一気呵成に物語の背景が説明されて、主人公の思いが提示されていく。
それはもう痛ましい彼と、家族の、明日が見えない日々がはじまるのだが、読み手の同情なんぞをまるであてにしない勢いで、おれの「おばさん」が登場し、スピーディに物語が進んでいくのだ。
それがなんとも心地よい。

さて、ときおり気の迷いで、ベストセラーの本を手にすることがある。
そのほとんどで失望するのが、作家のお嬢様と編集者がお互いに小さな世界をつくり、その努力の証として刷っちゃったような、まあ、はっきり言って面白く何ともない本が多い。

この「おれのおばさん」は、そんな眠たいお小説とは違うのだ。
ページを繰るごとにドラマがあり、心をゆさぶられる。
今年、いろんな本を読んでいくと思う。あたりはずれは当然だが、どう紹介していくべきか。そのスタイルが、まだ見つからない。
とりあえず、今日はこう言っておきましょう。
「おれのおばさん」、これはお薦めです。
ぜひ、ご一読を!





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